「不毛地帯」第3話(視聴率11.6) - ドラマな人々@遊Blog

「不毛地帯」第3話(視聴率11.6)

こんばんは。
遊(ゆう)です。
ご訪問いただきありがとうございます。

「不毛地帯」第3話を観ました。

小出宏(松重豊)が警察に連行され、洗いざらいを
供述することに…
そして、それは川又伊佐雄(柳葉敏郎)の運命を
決定づけていきます。

今回は、個人の力ではどうしようもない、日本人社会に
根付くヒエラルキー(階級社会)を思い知らされる回
でした。



今でこそ、政治の世界も「情報公開」とか「ガラス張り」
などを謳い、不正を正すことこそが政治のあるべき真髄で
あるという風潮ではありますが、戦後の日本…昭和の
日本にはそんな政治は存在していなかったということ
でしょうか…。

政治の世界も、企業同士の商戦も、「実弾」やら
「お土産」やら…まったくもって、真っ黒なもので
して、おそらく当事者たちにはそれが「正義」であった
のであり、その内情を知るすべのない民衆にとっては
「霧」に覆われた世界、「灰色」の世界、まさに
ピラミッドの頂点側にいる人間のみが掌握、操縦する
政治がまかりとおっていた時代だったのでしょう。

小出宏(松重豊)は、近畿商事の社員でありながら、
ピラミッドの底辺に生きていた善良な市民にすぎま
せん。

芦田国雄(古田新太)も自衛隊という組織にいながらも
ピラミッドの底辺に生きる民衆の一人にすぎません。

武士でいうなら、足軽。
軍隊でいうなら、二等兵。
そして…動物でいうなら、トカゲの尻尾

トカゲの尻尾は、笑って生きるしかありません。

だって、自分に選択肢がないんですから…。
笑うしかないじゃないですか。

任務が下されれば、喜び勇んで「笑顔」をつくり、
プライドを傷つけられても「笑顔」でこたえる。
そして、怒りに体を震わせそうになるのを抑えて
「笑顔」で訴える。

ギリギリまで…
警察の追及に対しても、「笑顔」で耐えてみせる。

前回も触れましたが、小出宏役の松重豊さんの
「笑顔」は、とても奥行きのある「笑顔」であり、
「笑顔」ひとつで、喜びからへつらい、悲しみ
から怒りまでの感情表現を見せてくれたように
思います。

素晴らしいです。


「本当に卑怯なのは、壹岐正です。」

しかし、底辺に生きるトカゲのたちの怒りが沸点に
達し、ヤカンの蓋を吹き飛ばさんとするほどに限界
に達した瞬間…

笑顔が消えるのです。

ずっと、何があっても笑顔で耐え忍んできたトカゲが
笑顔を捨て、尻尾になることを拒絶する…

その感情の起伏を、松重豊さんは実に見事に演じて
くれたと思います。

その対極にある立場にあるのが、壹岐正であり、
鮫島辰三(遠藤憲一)のような人間たちなのでしょう。

まるで、「笑顔」などという感情表現を必要としない
人間。

国民主権という教科書的な建前とは別に、厳然とした
差別がある・・・それが大人社会であり、政治の世界
である・・・

まったくもって、道徳教育にももとる世界ではありま
すが、それが現実なんだ、という暗黙の教育を昭和の
時代の人たちは良かれ悪しかれ受けてきました。

「不毛地帯」はフィクションでありながら、
フィクションでない小説であるからこそ、面白いんです。

正しいか、正しくないか・・・
いいことか、悪いことか・・・

ではなく、「そうした時代の価値観が確かに存在した」

という説得力が、この物語のスケールを確かなものに
してくれていると思います。

さて、来週からは川又伊佐雄(柳葉敏郎)の運命が
急展開していくことになるでしょう。

映画では、壹岐正と川又伊佐雄の関係をもっと濃密に
描いていたのですが、今のところドラマでは、それほ
どの密度ではない印象ですね。

ドラマとは一味違う、映画「不毛地帯」


迎える悲劇の大きさをどう演出していくのか、楽しみです。

懐かしく、物悲しげなトム・ウェイツの歌声が
この時代を象徴しているようです。



では。
最後まで、お付き合いいただき、
本当に有難うございました。



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2009-10-29 22:57 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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