尾野真千子「火の魚」NHK広島放送局 - ドラマな人々@遊Blog

尾野真千子「火の魚」NHK広島放送局

こんにちは。
遊(ゆう)です。
いつもご訪問いただきありがとうございます。

「火の魚」を観ました。

一言…良かったです。

「不毛地帯」で感服した原田芳雄さんの存在感はもとより、
文学調の台詞回しを見事に生身の言葉として説得力をもたせ
てくれた尾野真千子さんに、俳優としての力量を感じずには
いられませんでした。

interview3_pic03.jpg


原田さんに関しては、「不毛地帯」の最終話の際に
いろいろと書きましたので、改めてその才能と
「役者力(やくしゃぢから)」を取り上げるのは
やめておきます。

今回はやはり、尾野真千子さん。

以前から書いていますが、尾野真千子さんは
好きな女優さんの一人です。

印象に強く残っている作品に
「萌えの朱雀」「リアリズムの宿」「殯の森」
「クライマーズ・ハイ」「空飛ぶタイヤ」…
そして、記憶に新しい「外事警察」があります。




尾野真千子さんの俳優としての魅力…。

容姿はもちろんなのですが、
私が特に惹かれるのは、尾野さんの「声」です。

女性としては低く、そして艶のある声。

この「声」が尾野真千子さん独特の説得力ある
台詞回しを生んでいるような気がします。
天性のものと才能ある制作者たちに囲まれながら
俳優として経験を積んだことで、独自の演技が
身についたのでしょうか。

あと、パーツで言うなら「目」が好きです。
尾野さん、キレイな方ではありますけど、非の打ち所
のない美人というのではありません。個性的な美です。

その個性を引き出しているのが、彼女の「目」だと
思っています。
強い「意志」を感じさせる目。
そして、不安に慄く「弱さ」を感じさせる目。

強さ、弱さを表現する彼女の目は、美しく、知性的。

この「声」と「目」が、今回のドラマ「火の魚」では
際立って印象的でした。
「です・ます調」の台詞回し。「です・ます」どころか
「ございます調」まで。

ご本人も記者会見でおっしゃっていましたけど、そうとう
この台詞回しが大変だったようです。
でも、とてもこの台詞回しが良かったです。

特に、原田芳雄さん演じる作家の村田省三の作品に対する
批評をぶつシーンでは、際立っていました。
なんといいましょう…「声」と「目」が実に折り目正しく、
凛としていて、嫌味なく、この女性にこのような言われ方
をされれば、かの村田省三も納得するだろう、そして、
彼女の魅力に惹かれていくだろう、と合点がいくのです。

編集者としてのビジネスライクな丁寧語…
慇懃無礼というのとは違いますが、上っ面の敬意を表す
折見とちこ(尾野真千子)の丁寧語。
それが癇に障り、正直な気持ちを言えと迫る村田に対し、
「では、言わせていただきます。」と堰をきったように
話し出す折見から発せられる丁寧語。
その前に、ある意味、言葉を失い魅せられていく村田。

折り目正しさ、知性がそこにあります。

死を意識し、病気療養のために広島にこもった村田。
それ以降の作品を完膚なきまでに批判する折見。

「お前は死を意識したことなどないだろう」
「あります」
「その若さであるはずがない」
「死を意識するのに若さは関係ありません」
(うろ覚えの台詞で申し訳ありません)

こうした村田と折見の言葉のバトルにも、棘なく、
むしろ作家の村田よりも理性的と思われる折見の達観した
人生観を感じさせるに十分なシーンでした。

とにかく、村田を攻撃(口撃)する折見とち子をここまで
自然に演じられるのは、尾野真千子さんしかいないと
思うほど印象深く、とても良いシーンでした。

あのシーンがあるからこそ、影絵で子供たちに対して
語る言葉や表情の変化、そして、ガンの再発で孤独の淵
にいる折見の不安げな目がとても印象に残るのです。

赤いバラの花束を手に、東京の病院まで見舞いに来た村田。
上階から折見の姿を発見するその視線の先には、広島で出会
った時の折見とは別人のような、弱弱しく背中を丸め、車
椅子に力なく座る姿があり…上階の村田を見つめる目には、
かつての「目力」はなく、死の恐怖に包まれた孤独で不安げ
な目がありました。

そして、バラの花束を手にした際に、折見の目から零れる
涙…。

一つひとつのシーンが素晴らしいだけでなく、
一連のドラマの流れの中で、刻々と変化していく人の心、
人との関係が見事に表現されていました。

燃えるような赤い色彩の金魚。
それは炎のように燃える命を表しているのでしょうか。

その命の象徴を本の装丁のため、金魚の命を奪って
魚拓にする…その瞬間、溢れる折見の涙も印象的でした。
手元は映ってはいませんでしたが、本当に生き物の命を
奪っているかのような尾野真千子さんの演技でした。

観ている私も、何故だか心が痛みました。
ああ、殺生というものは残酷ですし、命というのは儚い、
そんな気持ちにさせられました。

尾野真千子さん。
とても好きな俳優さんです。

「内に秘めた強さ」を演じさせたらピカイチでしょう。
ひとつ、リクエストするならば、もっとストレートな
情念や女性としての本能のようなものを感じさせるような
作品にも抜擢されることも期待します。
ブログ情報源
ブログランキング ドラマ

タイプは違いますけど、寺島しのぶさんに並ぶくらいの
女優さんになっていただきたいと思います。



それでは。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。

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2010-03-14 10:38 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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