「鉄の骨」最終話 - ドラマな人々@遊Blog

「鉄の骨」最終話

こんにちは。
遊(ゆう)です。
いつもご訪問いただきありがとうございます。

「鉄の骨」最終話を観ました。

変わることは簡単ではない。
変わるためには…血を流さなければならない。

談合の中で流れた血。
変革のために流れた血。

そうした多くの血を無駄にしてはいけねい…

富島(小池徹平)は、きっとそう思ったにちがい
ありません。
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一谷組は談合せず、ガチンコで行くと決めたはずの
地下鉄工事。

しかし、談合の裏に族議員の影あり。

三橋の義理の兄にあたる政治家城山(北村総一朗)の
総裁選立候補にともなう資金援助のために談合が利用
されようとしていたのです。

三橋顧問(中村敦夫)が調整役となり、その豪腕のもと
一谷組はじめ、大手ゼネコン各社は半ば強制的に調整
させられることに…。

三橋の指示は絶対。

一谷組の社長は、談合に協力することで資金繰りの面倒を
見てもらうことで、あっさり陥落。

尾形常務(陣内孝則)も上からの命令に背くわけに
いかず…。

変革は出来ないのか?
膿を出すことは出来ないのか?
自殺した長岡(志賀廣太郎)の遺志を反故に
するのか?
一番列車に堂々と乗ることは出来ないのか?

クライマックスは、入札当日。
一谷組、尾形常務(陣内孝則)単独による
談合破り!」。

テロだ。

談合という
<日本的業界経営協調文化村>内におけるテロだ。

尾形常務は身内をも欺き、自らの首をかけ
古い文化にメスを入れ、膿を出すべく、
西田の積算どおりのガチンコで勝負したのです。

結果、真屋建設が予定されていた工区を一谷組が落札。

「貴様…」

尾形の裏切りに声を震わす三橋。

そこに雪崩れ込む東京地検。
三橋に示される逮捕状。

尾形常務も逮捕され…。

後日
富島は留置所の尾形を訪ねます。

「こんなとこに来るな」

「ひとこと、言いたくて。
 尾形常務、いっしょにお仕事できたこと感謝します。
 ありがとうございました。」

退職願いを差し出す富島。
それを目の前で破棄せよと命じる尾形。

変えていくのは富島の世代。
一谷組に残れ!

「ゼネコンマンの原点は、ものづくりだ!」

大きく広がる青空。
新しい現場がそこにあります。

現場監督として復帰した富島の笑顔。
それは、ものづくりの原点に帰った笑顔。


何も知らずにいた頃の笑顔ではなく、
悪弊を知ったうえで、原点に戻ってきた笑顔。

本物の仕事をする人間の笑顔。
堂々と地図に残る仕事を自慢できる笑顔でした。


ドラマの終わりには、
やはりどこか救いが必要だし、
未来を明るく照らす、一筋の光があったほうがいい。

それが、リアルな世界の実情と異なっていても。
テレビドラマには「希望」がふさわしい。

NHK土曜ドラマ「鉄の骨」は、
腐敗、闘争、犠牲、信頼、権力、背信、浄化…

そして、希望。

それらを私たち視聴者に示してくれました。

若い世代が古い文化に異論を唱えるのは、ある意味
容易なことで、むしろ批判的になるのは自然なこと。
民主党の若手国会議員は何を考えているのか?

しかし、古い文化の中で育ち、地位を得てきた者の
ほうが、実は、その文化の弊害や改善の必要性を
より強く感じている場合があるわけです。

尾形常務のように。
談合文化論

悪弊にまみれ、自ら手を汚し、その中枢にいたからこそ
知ることのできる病巣の根深さ、時代との乖離(かいり)、
齟齬(そご)というものがあるように思います。

小沢一郎覇者の履歴書
田中角栄の時代小沢一郎の知恵

古い文化を変えるためには、
古い人間たちの誰かが決断をし、自ら血を流し、
突破口を開く勇気が必要だと感じた入札シーンでした。

クライマックスを飾るにふさわしい
緊張感のある、すばらしい場面でした。
→ranking

いっぽう、若い富島は、富島らしく正々堂々、
正論で正面突破を狙います。

三橋顧問と差しで直談判。

「自首してください。」

普通だったらあり得ない場面です。
一ゼネコンの若造が談合調整役の大物と直談判など。

こうした鮮烈なシーンをつくるために、富島の父の
事故死と三橋の責任を結びつけ、個人的なつながり
を物語の中に盛りこんだのですね。

ドラマならではの醍醐味です。

「自首してください。」

という傍らで、しっかりと談合の証拠となる言質を
録音し、地検に渡していたのです。

三橋に対する裏切りを実行していたわけです。
これも、古い悪弊を断ち切るための富島にしかできない
テロ行為。

富島も辞表を胸に、自ら血を流す覚悟で臨んだ
三橋との真剣勝負。

このシーンも
「鉄の骨」の名場面のひとつだったと思います。
→ranking

「脱・談合知事」田中康夫

このドラマには、記憶に残る名場面が、いくつもあります。

遠藤安男(豊原功補)が一谷組の看板をバックに
ゼネコン営業のなんたるかを語るシーン。

落札できず、約束を果たせなかった富島が
坂元敦志(寺島進)を謝罪に訪れ、一緒にすきやきを
食べるシーン。

真屋建設営業部長、長岡昇(志賀廣太郎)が、最初に
談合で落札した橋梁を眺めながら、富島と語るシーン。

そして

ゼネコン各社の営業たちが一堂に会し、丁々発止の激しい
交渉を繰る広げるシーンは、このドラマのテーマでもあり、
毎回、見ごたえのある素晴らしいシーンの連続でした。

各社の思惑、背景で蠢く策略、正義の通らない現実。
そうしたバトルシーンにおける各俳優さんたちの演技
誰も素晴らしく、特に山関組営業部長、和泉勇人役の
金田明夫さんの悪人ぶりには、本当に嫌悪感を感じる
ほど素晴らしく、脱帽といった印象です。

また、カンニング竹山さんのキレ芸も冴え、

「ウチは絶対に降りないよ!」

と目から火花散るような絶叫は忘れられません。

そのいっぽうで

「俺だってわかっているんだよ。
 厭な相手にだって頭を下げなきゃいけないくらい。
 でも、人ってなかなか変われるもんじゃないだろ。」

最終話、
トキワ土建に対し、シールド(掘削機)の流用を条件に
JV(共同企業体)を組む交渉から戻った富島(小池徹平)
に西田(カンニング竹山)が言った言葉。

人は簡単には変われない。
人が変わらなければ、古い文化を変えるなど出来るはずも
ない。

自民党政治の終わり

さりげない西田の言葉に、そうした変革に対するアンチ
テーゼが含まれていて、照れ笑いにも似たような表情で
語るカンニング竹山さんが、そのへんのニュアンスを
とてもうまく表現されていて、感心しました。

最後に

主役の小池徹平さん。
そして、その恋人役の臼田あさ美さん。

この二人が本当に良かった。

談合というドロドロに脂ぎった世界を舞台にしたドラマ
にあって、この二人の存在がどれほど救いになったことか。

もちろん、小池徹平さんの富島一人でもいいんです。

小池徹平さんの演技者としての素晴らしさは、以前にも
書いたので、ここではあえて書きませんが、ゼネコン
の営業マンといえども一人の小さな悩みをかかえる
人間である、ということを臼田あさ美さんとの関係で
とても良く表現されていたのが、このドラマの
好印象の要因だと思います。

生活と仕事。

そんな日常の橋渡し役を臼田あさ美さんは
さりげない演技で、とても自然な感情表現で
好演されたと思います。

この女性、ほんとにバラエティとのギャップが
激しく、末怖ろしい女優さんです。
今はまだ、その若さや可憐さをベースに演じて
いますが、善にも悪にも妖艶にも演じることの
できる可能性を秘めた、大化けしそうな女優さん
のような気がします。

是非、汚れ役にも挑戦していただいたい。

目指せ、寺島しのぶ…
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と陰ながら応援しています。

さて

今回のNHK土曜ドラマには感謝しなくてはいけませんね。
「ハゲタカ」はじめ、「外事警察」「チェイス」と
硬派な社会派路線で高評価を出し続けていて、スタッフにも
土曜ドラマの看板がプレッシャーになっているのでは?と
思うのですが、そんな視聴者の心配は杞憂に終わり、ホッと
すると同時に、NHKの底力に感心、平伏します。

素晴らしいドラマだった。

ただ、それだけです。
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民放どこぞの「○9」なぞという看板のメッキが剥がれる
中、NHKドラマ班の視聴率より中味を追求する制作姿勢
は、ドラマファンにとってどれだけ頼もしく映ることか。

やっぱり、本物が観たいです。
民放の良さもあります。
でも、NHKならではの追求のしかた、表現のしかたが
あり、それをやりつづけていただきたいと思っています。
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スタッフの皆さん、
出演者の皆さん、
本当にお疲れさまでした。

そして、有難うございました。

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2010-07-31 22:01 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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